こんにちは、こんばんは、某人間より親しみを込めて。

今回は映画沈黙ーサイレンスーのレビューです。
(原題:Silence)

20170123114234

公開:2016年
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン、窪塚洋介、イッセー尾形、浅野忠信、塚本晋也



あらすじ


17世紀、イエスズ会の宣教師であるセバスチャン・ロドリゴ神父(アンドリュー・ガーフィールド)とフランシス・ガルペ神父(アダム・ドライバー)は、日本に布教活動をする為に赴いたクリストヴァン・フェレイラ神父(リーアム・ニーソン)が棄教し、その後行方が知れなくなったと報せを受ける。

フェレイラ神父の棄教を信じられないロドリゴとガルペは真実を知る為にマカオに漂着した日本人漁師キチジロー(窪塚洋介)の手引きで日本に渡るが、そこで二人は日本で行われているキリシタン弾圧の真実を目の当たりにする・・・。

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感想 ネタバレ有り


1700円
(某人間ブログの採点方法に関してはこちらの記事に参照)

 

本来日本が作るべき?予算が潤沢な大河ドラマ


キリシタン弾圧下の日本を敬虔なポルトガル宣教師の視点から描いた遠藤周作の小説「沈黙」の映像化作品。

監督は「ディパーテッド」や「シャッターアイランド」「ウルフオブウォールストリート」で知られるマーティン・スコセッシがメガホンを取り、ハリウッドを代表する若手実力派俳優アンドリュー・ガーフィールドを主役に迎え、脇をアダム・ドライバーやリーアム・ニーソンという実力派で固めた本作。

スターウォーズファンである某人間はクワイガンジンとカイロレンの共演ということで、一人違う視点から高まっていました。

また、本作には多くの日本人俳優が出演し、浅野忠信や窪塚洋介など既に海外で活躍している俳優たちだけではなく、イッセー尾形や塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、片桐はいりなど実力派も肩を並べ、日本人がより楽しめる作品となっております。

また、海外の映画が日本を描く際の違和感は一切なく、本作が日本人監督による邦画だと言われても信じてしまう出来となっております。

言うなれば、ハリウッド張りの予算を掛けた日本歴史映画とでも言いましょうか。

本来は純日本製で製作されるべき映画で、このクオリティで本作を作り上げられない現在の邦画界とは一体・・・。

日本アカデミー賞は色んなものをかなぐり捨て、海街diaryから2016年最優秀作品賞を剥奪し、今からでも本作にその賞を与えるくらいの気概が見せても良いのでは・・・?

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キリシタン弾圧の衝撃的な真実と実態を学べる


作風は非常にシリアス。

幕府がキリシタンを拷問するシーンはショッキングな場面が多い一方、キリシタン弾圧を進める大名・井上筑後守とロドリゴ神父の「日本におけるキリスト教の定着」を巡る論争は非常に見応えがあり、教科書では一行で済まされてしまう「キリシタン弾圧」とは何かを知れる優秀な作品でした。

まさに教科書的な映画といっても過言ではないでしょう。

踏み絵一個とってもそう。

現代に生きる我々、ましてやクリスチャンではない者からしてみれば「踏み絵ぐらい踏んだらいいじゃないか」と思ってしまいますが、イエスズ会宣教師ガルペは「いかなる迫害があろうとも踏んではいけない」と語り、かと思えば迫害されるキリシタンを目の当たりにしたロドリゴ神父は涙ながらに「踏め!」と訴える。

また、踏み絵を踏むことを徹底的に拒み処刑される隠れキリシタンもいれば、キチジローのように容易く絵を踏み、聖母が象られたロザリオにツバを吐いてみせる要領の良いキリシタンもいたりと、やはり宗教を巡る考えというのは一筋縄ではいかないな、と痛感。

また、仏教が下地にあり、神という概念が山や太陽、はたまた全ての物に宿るというアニミズムが根底にある日本で「変質したキリスト教」に戸惑うロドリゴ神父たちに対し、井上筑後守がキリスト教を木に、日本を沼に例えた比喩は的確で、作品全体を通して見ても現代の我々にとても分かりやすく作品は仕上がっています。

井上筑後守のやり方は非常に非情ではありますが、数十万を超える教徒との戦いだと考えると肯定はできませんが、納得は出来てしまいます。

例え歪んだものだとしても、国を傾かせる可能性があったとしても宗教は他人に口出しされるものではないことは大前提ではありますが、無宗教の私でも宗教について考えさせられました。

本作とは関係ありませんが、宣教師のいない日本で独自に生まれた「隠れキリシタン版キリスト教(正式名称は何かはわかりません)」の信者たちは、日本でキリスト教が解禁になった後も改宗に応じなかったという話もあるようで、宗教とは非常に興味深いものだと感じます。

以上。
最後までご覧いただき有難うございました。
では。

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沈黙 -サイレンス-(字幕版)
アンドリュー・ガーフィールド
2017-07-12


沈黙 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
1981-10-19


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