こんにちは、こんばんは、某人間より親しみを込めて。

今回は映画
レオン 完全版のレビューです。
(原題:LEON)


引用:YouTubeムービー

公開:1995年
監督:リュック・ベッソン
出演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン

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あらすじ


プロの殺し屋・レオン(ジャン・レノ)は同じアパートに住む少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)と出会い、マチルダが麻薬の売買で生計を立てる父から暴力を受けていることを知る。

翌日。
マチルダの父の元に麻薬取締官であり、麻薬売買の胴締めでもあるスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)が現れ、商品である覚せい剤が減っていることに気付くが、マチルダの父は覚えがないと言い張る。

スタンスフォードはそれを信じ、明日までに犯人を見つけるよう残すとその場を後にするが、マチルダの父は犯人を見つけることが出来ず、偶然外出していたマチルダ以外の家族は彼に惨殺されてしまう。

運悪くアパートに戻ってきたマチルダは全てを察し、レオンの部屋へ向かい助けを求め、レオンも彼女を部屋に迎え入れる。

そして、マチルダはレオンが殺し屋だと知り、スタンスフィールドに復讐する為に殺し方を教えてくれとレオンに頼み込むが・・・。

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感想・評価 ネタバレ有り


 2300円
(某人間ブログの採点方法に関してはこちらの記事に参照)



暗さと明るさがちょうどいいエンタメ作品


某人間、名作を今更鑑賞しました。

あらすじやジャケットの雰囲気から暗くてじめっとした作品なんだろうなと決めつけていたこと。
同監督の「フィフス・エレメント」があまり好みではなかったことが、今まで本作に手が伸びなかった理由です。

ですが、実際に鑑賞してみると、エンタメ性のある作風で、笑いどころやほっこりするシーンもあり、かといって「フィフス・エレメント」ほど軽すぎない絶妙な塩梅の良作品でした。

某人間的にはかなり好きな映画です。



作品を印象付ける3人の個性的なキャラクター


本作の見所は何よりもジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン演じる個性的なキャラクター。

reon1

本作はジャン・レノ演じるレオンの暗殺シーンから始まりますが、次々と標的の護衛が殺されていく様は見ている自分が追い詰められていくように感じるほど緊張感があります。

加えて、私生活のシーンもプロらしくストイックに鍛錬に励み、ルーティーンのある規則正しい生活を送っており、男が憧れるような暮らし振りは『殺しのプロ・レオン』といった印象。

しかし、マチルダと出会ってからのレオンは打って変わってタジタジで、気弱な印象すら受け、そのギャップがレオンという唯一無二のキャラクターを形成しています。

reong

また、ゲイリー・オールドマン演じるスタンスフィールドもそのイカれ具合カリスマ性を登場シーンから遺憾なく発揮し、意外と登場シーンが少ない割にそれを感じさせない強烈な個性を持つキャラクターとなっております。

彼が身をよじらせながら、覚せい剤入りのカプセルを噛み潰すシーンやトイレの扉の裏から現れるシーンはかなり印象的で、そのシーンがお気に入りの方も多くいるのでは、とも思います。

reon

ですが、そんな名優2人を食ってしまわないかというほどに輝きを放っていたのが、若かりしナタリー・ポートマン。

「スターウォーズ」シリーズや「ブラックスワン」など多くの話題作に出演し、今や一流ハリウッドスターの彼女ですが、当時なんと12歳。

あの大人っぽい目つきや表情もさることながら、その大人っぽさの合間に見え隠れするあどけなさ強がりも見事に演じきった彼女の演技力は並大抵ではないと思います。

言ってしまえば、マチルダという役は大人に憧れ、大人の真似事をしている少女で真に精神が熟しているわけではありません。

ですが、育った環境が本当に彼女の精神を大人のレベルまで持ち上げたのではないか、と思える瞬間もあり、そのどちらの側面も兼ね備えた複雑な役柄を上手く表現していた、と思います。

また、単純に女の子としても可愛らしく、あのショートボブやチョーカーに心を奪われてしまった男性陣も多いのではないでしょうか。

彼女がいたからこそ今の本作を取り巻く状況ができたことは疑う余地もありません。



目を引く映像演出


私がエンタメ性が高いと感じる映画には共通点があります。

それは映像の構図や演出に遊びがあることです。

そして、本作にも目を引く映像演出がいくつかありました。

例えば、物語冒頭、レオンが殺しの依頼を受けるシーンなのですが、サングラスの使い方が非常に面白い

特徴的なモデルのサングラスを画面いっぱいに写し、レオンのビジュアル的特徴を印象付けると同時にそのサングラスに反射した話し相手のシルエットも描写し、サングラスの奥にあるレオンの目元の機微も映し出すという。

1シーンに3つの情報を印象的に詰め込んでいるのです。

また、スタンスフィールドが覚せい剤を服用するシーンも1回目は様々な角度から彼の一挙一動を捉えたにも関わらず、2回目の服用シーンは彼と対峙するマチルダと同じ一つの視点からしか写さないのも高度な演出の妙です。

こういったケレン味あふれた些細な映像演出がふんだんに盛り込まれているのも本作を退屈せずに鑑賞できるポイントだと思います。

また、レオン、マチルダの特徴的なファションも本作の映像を観客の記憶に焼き付ける事に一役買っているのではないでしょうか。

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ロリコンという視点にとらわれない


「レオン」を鑑賞された方の感想の1つに「監督のロリコン癖が見えてキツい」という声をたまに聞きます。

確かに本作には少女と中年男の恋愛要素は含まれていますが、そこだけに焦点を絞ってしまうと本作の面白さが霞んでしまいます。

なぜならば、年の差恋愛の要素はレオンとマチルダの関係性の一部分に過ぎないからです。

本作の面白さは単純な恋愛関係では説明できない2人の関係性と空気感にあると思うのですが、年の差恋愛要素だけに捕らわれず、より多角的に鑑賞できればもっと本作を楽しめるはずです。

例えば、『純粋さ』という観点から見てみましょう。

まず、レオンという男ですが某人間は彼が発達障害を持っているのでは、と考察します。
それは彼が読み書きが苦手、コミュニケーションが不得意、過集中(暗殺に関して)という特徴を持っているからです。

しかし、その要素は彼が俗世の一般的な倫理観や暗黙のルールに捕らわれない価値観を持っていることの裏付けにはならないでしょうか。
いうなれば、純粋な存在です。

一方、マチルダは年齢の割に性交渉に関しての知識があり、常に麻薬や暴力と隣り合わせの生活を送っており、純粋ではないとは言わないまでもレオンよりも非純粋に感じます。

この年相応の純粋性が逆転した2人の関係から生まれる空気感はこの映画特有のものな気がします。

また、レオンとマチルダの間には殺し屋とその見習いという関係にありますが、同時にマチルダはレオンに読み書きを教える教師として、加えて、レオンの面白みのない人生に色を与える存在としてもあり、お互いがお互いに与え合い、支え合う関係性にもあります。

他にもマチルダを守ろうとするレオンに対して、自らスタンスフィールドに仇を討とうと無鉄砲に行動するマチルダというすれ違う間柄も本作の良いスパイスになっていると思います。

年の差恋愛という要素に焦点を絞らなければ、様々な関係性からなる2人の捉えどころのない空気感を十分に楽しめるのではないでしょうか。



観葉植物が示唆するマチルダのその後


物語終盤でレオンはスタンスフォードを道連れにし自爆します。

これによりマチルダの仇討ちは達成されますが、残されたマチルダは当然路頭に迷い、最終的には学校へ戻らざるを得なくなります。

そして、ラストシーンでマチルダはレオンが大事に育てていた観葉植物を学校の庭に植え物語は幕を閉じます。

では、このラストシーンは何を意味しているのか。

1つ目はレオンへの弔い。

「いずれ殺し屋を辞め、大地に根を張って生きたい」と言っていたレオンの願いをレオンの代わりに観葉植物で叶えています。

2つ目はマチルダのその後の人生の示唆。

1つ目に通じるところもありますが、1つ目が死んだレオンに向けたものであったのに対し、こちらはレオンと違って生き残り、これからも人生が続くマチルダの今後を表すものになります。

鉢が意味する狭い街、窮屈な生活、復讐に囚われた思考からマチルダが解放されることを示唆しているのではないでしょうか。

そして、3つ目はレオンからの解放。

マチルダの境遇や年齢を考えると、レオンを最愛の人と考えるには早過ぎであることは言うまでもないことです。

しかし、当事者であるマチルダがそれに気付けるはずもなく、そして、気付けぬままレオンを死別という形で失ってしまいます。

ですが、レオンという男を引きずり続けることはマチルダの人生を息苦しくし、幅を狭めてしまうことは分かりきったことで、マチルダにとってレオンとのケジメは必要不可欠でした。

それがレオンが大切にしていた観葉植物を手放すという行為によって行われたのだと思います。

鑑賞直後の私は前向きなマチルダのその後を想像できませんでした。

マチルダはレオンのことを忘れられず、学校にも馴染めず退学し、再び麻薬や死と隣り合わせの世界へ戻ってしまうのでは、と考えました。

しかし、観葉植物のシーンから以上の3つを読み取り、これだけラストを前向きに捉えることができる材料を提示されているのにマチルダのその後を悲観的に予想することは良心が咎めました。

この物語を前向きなものとして終わらせることが、本作の観客に与えられた役割なのかな、と感じています。

以上。
最後までご覧いただき有難うございました。
では。

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