こんにちは、こんばんは、某人間より親しみを込めて。

今回は、映画ガール・オン・ザ・トレインのレビューです。



公開:2016年
監督:テイト・テイラー
出演:エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット

「プラダを着た悪魔」「オールユーニードイズキル」
「ボーダーライン」など数多くの話題作に出演し、
その度、凛々しく、そして、逞ましい女性を演じてきた、
エミリー・ブラントが主演を務める本作は、
女流作家ポーラ・ホーキンズの同名小説を原作とした
スリラー作品です。

個人的に、彼女が出演する映画で、
外れを引いた事がなく、
ジャケットも雰囲気があって、私好みだったので、
鑑賞致しました。

では、早速、あらすじに移ります。



あらすじ


レイチェル・ワトソン。

前夫トムとの間に子供が出来ず、
その焦りから酒に逃げ、アルコール依存症を患った彼女は、家の内外問わず暴れる様になり、嫌気が差したトムの浮気を契機に彼と2年前に離婚した。

そんな彼女の日課は、行き帰りの電車から2軒の家を眺める事。

片方には仲睦まじいヒップウェル夫妻が暮らし、もう片方にはトムと彼の現在の妻アナ、そして、彼等の子供が暮らしている。

レイチェルは酒に飲まれる度にトムに連絡をし、果てには彼等の家へ向かい、勝手に子供を抱いて外に出るなどの迷惑行為を度々行い、彼等からは厄介者扱いされていた。

そんなある日、彼女は車窓からヒップウェル夫妻の妻メガンがバルコニーで、夫ではない男とキスをしているところを目撃する。

レイチェルにとってヒップウェル夫妻は、理想の夫婦で、浮気が原因で離婚した彼女にとって、その光景は許しがたいものだった。

その不倫現場を目撃した彼女は、外出先に関わらず、普段以上に酒を飲んだ。

そして、その帰り。
レイチェルは電車を降りたところでトンネルに入っていくメガンを見つけ、その後を追い、彼女に対して、酔った勢いで暴言を吐く。

翌朝。
レイチェルが目を覚ますと、居候している友人の家に戻っていた。

しかし、彼女は頭から血を流し、体には痣があり、その上、前日メガンにあった後の記憶を亡くしていた。

その日の夜。
彼女の元に二人の刑事が現れ、メガンが失踪したことをレイチェルに伝える。

そして、レイチェルは、自分が失った"空白の記憶"の中で、メガンを殺してしまったのではないか、と不安に苛まれる。
 
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感想 ネタバレなし


1750円

(某人間ブログの採点方法に関してはこちらの記事に参照)

酒に溺れ、表情は憔悴し、やること為すこと仇となり、周囲の人間から信頼されることもなく、極め付けに「君は誰の役にも立てない」とまで言われるレイチェル。

そんな哀れな女をエミリー・ブラントが、見事に演じきっています。

前述した通り、今まで、強い女性を演じてきていた彼女ですが、こんな引き出しもあったのかと、彼女の演技派としての実力を見て取りました。

本作は、映画「ゴーン・ガール」や小説「その女、アレックス」を連想させる作品でした。

物語は淡々と展開して行きますが、新たな真実が明かされる度に、登場人物への印象が、場合によっては180度変わる。

謎解き部分において大きな仕掛けが用意されている訳ではないので、ミステリ要素を期待して見ると肩透かしを食らうかも知れないですが、スリラーとしては、良作で、私自身、登場人物、物語に対する印象、認識を見事に翻弄されてしまいました。

この物語は3人の女性を中心に展開していきます。

アルコール依存症となり、自身の生活さえままならないレイチェル。

周りからは幸せに見えるが、とある過去を抱え、子供を望む夫とは正反対に子供を望まないメガン。

そして、最愛の夫と子供に囲まれ、幸せを感じつつもレイチェルやメガンのことで頭を抱えるアナ。

それぞれ全く異なる生活を営み、それぞれ違った弱さを持つ3人。

しかし、3人にはある共通点があり、その共通点こそが物語の真相となります。

衝撃とまでは言いませんが、安っぽい結末でないことは確かで、そこにはしっかりとテーマが含まれています。

女性だけが持つ弱さ強さそして、アルコール依存症により、周囲から孤立し、自分すら信用出来なくなってしまったレイチェルが、再起するまでの様子を緻密に描写した本作。

少し盛り上がりに欠ける部分がありますが、その点を除けば、良質な作品です。

しかし、想像するととても恐ろしいです。
自分が泥酔している内に人を殺してしまっているかもしれない、というのは。



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エミリー・ブラント
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2017-04-21
 






感想 ネタバレ有り


ネタバレ警報発令します。

































アルコール」と「」は怖い、という話。

メガンを殺害したのは、レイチェルの元夫トムでした。

彼は、レイチェルからアナ、アナからメガンと次々に浮気を繰り返し、メガンが身篭ったと知ると、有無を言わさず「堕ろせ」と伝え、そんな彼を彼女が批判すると、感情的にメガンを殺害したのでした。

その上、レイチェルには、彼女が酒に酔っているのを良いことに夫婦時代、そして、離婚後の現在に至っても自分の都合の良いように嘘の記憶を与え続け、彼女を苦しめていました。

卑劣です。

3人の女性の弱さを利用し、好き放題をして、最終的には暴力で女性を打ち負かそうとするトム。

そんな男を彼女達が許すはずもなく、メガンからレイチェル、そして、アナへと繋がった復讐のバトンは、見事、正当防衛という形で、合法的に彼の喉元へ突き刺さりました

トムの首に刺さったワインオープナーを更に捻じ込んでいくアナの姿は、強く印象に残っています。

女性を怒らせてはいけない、と強く胸に刻み込みました。

もう一度言います。

女性を怒らせてはいけない!!!

作中では、トムにより、「君は誰の役にも立てない」と評され、哀れな女として描かれ続けたレイチェル。

しかし、この事件が真相に辿り着いたのは、警察の地道な捜査などではなく、彼女が自身の愚かしい過去を清算しようと偶然電車に乗り合わせた、かつて飲酒により迷惑をかけた相手に
謝罪をしたことが契機でした。

数年に渡り、トムの嘘を信じ、自分を責め続け、そして、周囲からも孤立し、苦しんできたレイチェル。

アナが警察署で話した「彼女は正しかった」という言葉は、彼女を救うには十分でした。

また、自身の不注意で我が子を死なせてしまったメガンも精神科医の真摯な働きかけのおかげで、再び子供を産もう、と決意します。

虚しくもトムの凶行により、それは叶いませんでしたが、彼女も再び立ち上がったのです。

本作は、一度挫折した女性が、それを阻む者を跳ね退け、再起する物語です。

やはり、女性は男なんか比にならない程、強いのでしょう。

では。

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